シェリー樽やバーボン樽
12年や18年
ピーティやノンピート
これらのは情報は、ウイスキーを見るうえで欠かせません。
嗜好品ですので、細かいことは知らなくても
「(自分が)おいしければいい」
のですが、おおざっぱな知識や経験があれば、次に買うときやBARなどで注文する時に役立ちます。
こちらの記事では、1000銘柄以上飲んできた私のバーテンダーとしての経験をもとに
樽や年数による味の違いを飲み比べできるウイスキーの銘柄をご紹介します。
ハッキリと違いのわかりやすいシングルモルトウイスキーの中から厳選しました。
熟成年数の違い
グレンフィディック 12年と18年
熟成年数の違いは、グレンフィディックの12年と18年がハッキリとわかりますし、他の銘柄の18年の価格を考えても、コスパも抜群に良いです。
(15年もありますが、違いがはっきりとわかるので18年の方がオススメ)
味わいの差
・12年 洋梨 レモン ライト&スムース
・18年 ドライフルーツ 焼きリンゴ シナモン
熟成感、余韻の長さ、口に入れてからの味わいの変化の仕方も違います。
12年があっさりと消えていくのに対し
18年は幼い頃の楽しかった思い出みたいに、暖かい余韻が長く残ります。
個人的にはあっさりとした12年も好きですが、ストレートでゆったりと楽しむのには18年のほうが適しているかもしれません。
加水と原酒(カスクストレングス)の違い
グレンリベット 12年とナデューラファーストフィル
加水タイプと原酒タイプは、グレンリベットの12年とナデューラファーストフィルを飲めば違いがわかりやすいです。
普通のウイスキーはボトリング前に加水をして度数を40度前後にしますが、カスクストレングスと呼ばれる原酒タイプのウイスキーは、加水せずそのままボトリングしますので、度数も高いのです。
味わいの差
・12年 柔らかく飲みやすい
・ナデューラファーストフィル 骨太でどっしり
加水していないぶん、ナデューラのほうがフルボディで骨太、パンチ力も強いです。
疲れて癒されたい時には12年、ガツンと濃いウイスキーが欲しい時には原酒タイプのほうが適していますね。
バーボン樽熟成の原酒タイプは、加水するとより甘みが出ます。味わいも濃いので、ナデューラはロックで長く楽しむのにオススメです。
バーボン樽とシェリー樽の違い
アラン バレルリザーブとシェリーカスク
一般的に大きく分けて、バーボン樽はバニラ香、シェリー樽はチョコレート香が感じられます(細かく言うと、その中でも樽の種類によって異なりますが、抽出される成分によって違いが生まれます)。
アランでしたら、クセのない味わいの同じ銘柄で、シェリー樽とバーボン樽を気軽に飲み比べできます。
味わいの差
・バレルリザーブ バニラ香、はちみつ、ウッディ(木の甘い香り)、ウエハース
・シェリーカスク ドライフルーツ、チョコレート、ウッディ(木の渋み)、硫黄臭
樽の違いを感じるためには、クリアで雑味のない酒質で、マイルドなアランがオススメです。(人気急上昇有の銘柄ですので、今後の価格の上昇が心配ですが)
シェリー樽でも、樽の力強さや、オロロソとペドロヒメネスなどの種類によって味わいが異なります。フルーティなものからまったりとした甘さやコク、ビターなものなど多種多様です。
こちらの記事をご参考ください)
ピーティかノンピートの違い
カリラ12年とアンピーテッド
アイラウイスキー・カリラの12年とアンピーテッドは、ピートを焚いているか焚いていないかの違いを誰でもはっきりと感じられます。ピーティなのが特徴のアイラウイスキーですが、そこからピートを引くと、とてもおもしろい仕上がりになります。
味わいの差
・12年 煙っぽい、石油ストーブ、海の香り、レモンキャンディー
・アンピーテッド 潮っぽい、乾いた草、レモンキャンディー
カリラの輪郭はそのままですが、スモーキーの有無で全体の香りや味の感じ方が変わり、とてもおもしろい飲み比べ体験ができます。
これとは逆に、スモーキーでない銘柄と、同じ銘柄のピートを焚いたバージョンとの飲み比べもおもしろいのでオススメです。
こちらの記事を参考ください)
バーボン樽とポートワイン樽の違い
グレンモーレンジ10年とギタルバン
10年はオーク系(バーボン樽系)、キンタルバンはそこにプラスしてワイン系(ルビーポートワインの樽で後熟)の樽で熟成されています。ポートワインの樽の深みやコクを感じるにはこの飲み比べがお手軽でうってつけです。
味わいの差
・オリジナル パイナップルやバニラ、軽やか
・キンタルバン ペリー系のフルーツや赤ワインの後味のような渋み
キンタルバンはバーボン樽で熟成の後に、ポートワインの樽で半年〜2年間熟成されていますので、飲み比べるとポートワイン樽熟成の芳香がより感じられます。
グレンモーレンジはとても清らかな酒質ですので、飲み慣れていない初心者の方にも自信を持ってオススメできる銘柄です。
個人的なおすすめ飲み比べ銘柄
近年になりトロピカルフルーツの香りが特徴になり評判を上げている
『ロッホローモンド』は特にオススメです。
(年数と樽も違うので、一概に熟成年数だけでは比較できないのですが)
ロッホローモンド12年
香り : 熟した桃、洋梨、バニラ、少し鉛筆やインクのような匂い、奥にほのかなピート
味わい : 優しくなめらかな口当たり、心地よいバニラとキャラメルの甘み。
白桃ジャム、干し草、余韻はドライでわずかなピートとウッディ。
ロッホローモンド18年
香り : グリーンアップルや洋梨、ほんのり緑茶の。ウエハースと溶けたバターシュガー。
味わい : 青リンゴや洋梨、バニラの甘味の後に、クローブやシナモンなどのスパイシーさ、オレンジピールや紅茶のビターさ。
味わいの差
・生き生きとしたフレッシュな12年
・熟練され穏やかで味わい深い18年
どちらも甲乙つけがたいほど美味しいです!
その他にもロッホローモンド蒸溜所からは非常にクリーンでフルーティなグレーンウイスキーや、ピーテッドタイプなどもリリースされているので、スタンダードを飲んで気に入った方は飲み比べにオススメです。
まとめ
今回は飲み比べにオススメのシングルモルトをご紹介しました。
大きく、特徴を掴みやすいウイスキーの中での組み合わせを選びました。
一概に、熟成年数の長短や樽の種類によって『良い』『悪い』が分かれるのではありません。
自分の好き嫌いや、その日の気分で楽しむウイスキーを見つけられたら、より豊かな時間を過ごせます。
シングルモルトは基本的には何かを熟成した後の空き樽で熟成されますが、他にも、ヴァージンオーク樽(新樽)や、アップルブランデーの樽、ワイン樽やシェリー樽にも様々な種類があったりして、ワクワクさせられるボトルがたくさんあります。
リファイルカスクと行って、何度かウイスキーの熟成に使用された後の樽で熟成されたものも、樽の影響よりも酒質や熟成感をよりダイレクトに感じられて美味しいものがたくさんあります。
アイリッシュウイスキーのバスカーやシーバス、デュワーズなども安価に樽の違いを感じられるシリーズがでていますので、おすすめです。
補足
※ウイスキーをお得に購入したい方は、ネットのみならず、酒屋さん店頭での購入もおすすめします(送料がかからないため)。
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