実は「ロック」には、「合う」「合わない」ウイスキー銘柄があることをご存知でしょうか？
使用する氷とその回転数、飲む環境やウイスキーの温度、使用するグラスなどでウイスキーのもつ香りや味わいの感じ方が大きくかわります。
もちろん、飲み手の状態や体調でも感じ方は変わります。
本記事ではロックで真価を発揮するウイスキーの特徴と、とりわけ相性の良い銘柄を、プロのバーテンダーが厳選してご紹介します。
少しマニアックな銘柄から、誰でも今すぐ入手可能なものを選びました。
※水割りに合うウイスキーというのもあります(下記記事参照)。
ロックがおすすめなウイスキーの特徴
・冷えると香りが感じにくくなるので、繊細な香りのするものよりも、ストレートで味わいが濃いどっしりとした銘柄。
・熟成に使われる樽がバーボン樽やリフィル樽(再使用樽)がメインであること。
※シェリーやワイン樽系が100％のものは、ロックにすると冷えて甘みが抑えられて、初心者の方にネガティブにとらえられがちなビターな苦味がでやすいため。
・変化を楽しみたい方は、溶けていくにつれて少しずつ柔らかくなっていくのが感じられる、カスクストレングス(加水せず原酒のままボトリング)のものなど、度数が高めの濃いウイスキーもおすすめ。
氷が溶けて加水されるとポジティブな甘みが引き立つ銘柄がおすすめです。
家では、可能であればコンビニに売っている透明のピュアな氷で飲んでいただきたいですね。
ウイスキーを注いでからの氷の回転数によっても味わいが変わるので、試行錯誤のしがいがあっておもしろいですよ。
ロックがおすすめなスコッチウイスキー
アラン クォーターカスク カスクストレングス
・大人気アラン蒸留所のクォーターカスク（通常の4分の1の小さな樽で熟成させたもの）、カスクストレングスタイプ。
・柑橘感とバニラ、モルティで優しい甘さに優しく包まれます。
アランらしい優しい甘さとピュアで性格の良さそうなまっすぐな味わい。ロックはもちろん、ソーダで割っても飲みごたえがあっておいしい銘柄です。
アベラワー アブーナアルバ
・アベラワーのカスクストレングス(加水していない原酒)タイプの、バーボン樽熟成品。
・バニラ香とはちみつのような濃い甘さが絶妙
度数も高いので、ロックにしてゆったりと時間をかけて楽しめる銘酒です。一杯でも満足度が非常に高い銘柄です。
ベンロマック カスクストレングス
・スペアサイドらしい上品なドライフルーツ感のあるベンロマックのカスクストレングスバージョン。
・2010年代ごろから、モデルチェンジしてからじわじわと評価の上がっている銘柄。
エレガントながら、濃厚であつみのある骨太な味わいの、安心感のあるウイスキーです。
アードベッグ ウーガダール
・アードベッグのスタンダードラインナップのなかで唯一のカスクストレングス(加水していない原酒)のタイプ。
・熟成原酒にシェリー樽も入ってはいますが、非常にバランスが良く、ロックにしてもまったりと濃いスモークを味わえる名品。
わたしは個性的な限定品よりも、こちらのほうがおいしいと感じることも多いです。
ロックがおすすめなジャパニーズウイスキー
マルスウイスキー 津貫
・鹿児島でつくられているマルスウイスキーの『津貫』です。
・その年に限定でつくられているリミテッドエディションは、フルーティながら度数も高くフルボディでロックとの相性も、抜群です。
若々しいところもありますが、ロックにすると角がとれてちょうどいい塩梅になって、とても美味しいです。駒ヶ岳のリミテッドエディションもエステリーでおすすめです。
キリン シングルモルト富士
・静岡の富士御殿場蒸留所でつくられているウイスキー『富士』。
・バニラや桃系のフルーティーさと優しいウッドスパイスがちょうどいい、日本のいぶし銀的な銘柄。
シングルモルトやブレンデッド、グレーンなど多種のタイプがありますが、どれもロックやハイボールとの相性も抜群に良いです。
実際に飲んだレビューテイスティング記事はコチラ）
サントリーローヤル
・昭和を彩った水割り全盛期の日本で開発されたサントリーの技術の結晶。
・水割り全盛期につくられた傑作ですので、ロックとも相性抜群。最近のウイスキー好きの人のなかには、意外飲んだことがない方も多い銘柄。
サントリーさんのプレミアのついている銘柄もおいしいですが、ローヤルははちみつのような甘さと日本らしさが調和していてわたしは好きです。
実際に飲んだレビュー記事はコチラ）
シングルモルト戸河内
・広島の桜尾蒸留所でつくられている柔らかいタイプのウイスキー『戸河内』。
・日本では桜尾ジンで有名ですが、戸河内というブランドのウイスキーはフランスでは大人気のジャパニーズシングルモルトウイスキー。
ブレンデッドタイプとシングルモルトタイプがありますが、雑味が少なくピュアなフルーティーさの優しいシングルモルトがおすすめです。
ロックがおすすめなバーボンウイスキー
ノブクリーク スモールバッチ
・ブッカーズなどと同じジムビーム蒸留所系でつくられているノブクリーク。
・ガツンとくるセメンダイン臭（溶剤感）と樽の香りとドライでビターな大人のバーボン。
バーボンらしいバーボンが好きな方には大人気の銘柄。
ウッドフォードリザーブ ダブルオークド
・ウッドフォードリザーブの通常の熟成に加えて強く焦がした樽で熟成させた『ダブルオークド』。
・バーボンらしいウッドスパイスとウッドフォードらしいなめらかな甘さが絶妙のハーモニーを奏でています。
ロックで飲むとより男らしいドライな味わいになります。
メーカーズマーク 101プルーフ
・メーカーズマークのラインナップのなかでも、エレガントに仕上がっている度数50.5度の『１０１』
・上品な甘さとメロウな飲み心地、フルボディでバランスもいいタイプです
メーカーズマークはたくさんの種類がリリースされていますが、わたしのイチオシはこの１０１です。
オールドバーズタウン
・甘いです。メープルシロップ感と柔らかい樽香のある甘口バーボン。
・度数は高くはありませんが、メープルシロップのような甘さと暖かいウッドが心地よく続きます。
甘口バーボンのなかではコスパにも優れた私のイチオシ銘柄です。
ロックがおすすめなウイスキーまとめ
カスクストレングスのものや、原酒の構成がバーボン樽熟成のものを中心に、ロックにおすすめの銘柄をご紹介しました。
度数が高めということは、中身も通常のボトルよりも濃いということです。
氷が溶けていくにつれての変化をゆったりと楽しめます。
加水していくという意味では、下記記事でご紹介している水割りにオススメの銘柄も、ロックでもおいしく飲めますのでご参照ください。
補足
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