【3分でわかるベルギーのウイスキー事情と『ベルジャン・オウル』】

ウイスキー業界の偉大な専門家が大絶賛・高評価している銘柄です(キャパドニックの蒸留器を使用)。
ベルギーウイスキー『オウル』とは

・つくららている「The Owl Distillery」 は、ベルギーの首都ブリュッセルと東の大都市リエージュの間に位置する。
・2004年にスイス製の小さなポットスチルで原酒を作り始め、2013年からはキャパドニック蒸留所で使用されていたポットスチルを移設して使用している。
・地元農業の多様化・発展させたいとの思いから原料の大麦もベルギー産の100%すべてノンチル・ノンカラリングでボトリング。
・樽は主にアメリカのヘブンヒル蒸留所で使用されていたバーボンカスクで熟成。
・ジム・マレー氏選出の「WHISKY BIBLE AWARD」で95.5点の高評価。
「ウイスキーバイブル2011」にて、最優秀ヨーロピアン・シングル・カスク・ウイスキーに選出。
・「オウル(フクロウ)」という名前は、フクロウがベルギーの広範な森に住む国民的な鳥で、知識と知恵の象徴でもあり、シングルモルトウイスキーをつくるために豊富な知識と知恵が必要なことから命名。
・初期バージョンはノンピートのモルトのみを使っていますが、将来的にはベルギー産のピートを使ってピーテッド・ウイスキーをつくる予定。
位置)

画像引用 公式サイト)

ベルギー ウイスキー事情

・ベルギーといえばビールが有名で、多くの蒸溜所はビールの醸造所やジン(ジュネヴァ)蒸留所と併設されている。
・ベルギー国内にウイスキー蒸留所は7箇所あり、公開しているのは5箇所ほど(2019年時点の情報)。
・ベルギーの法律では、蒸留をベルギー国内で行っていれば他の工程は国外でも「ベルギーウイスキー」として売ることができ、最低3年の熟成期間義務もない。
・このため、他の蒸留所では国外産のモルトを使っていることが多いものの、『オウル蒸溜所』は原料すべて国内産にこだわり、3年以上は熟成させている原酒を使用している。

伝統的にビールが飲まれている国ですので、原料の大麦麦芽は豊富にあるようです。
『ベルジャンオウル』ラインナップ

ベルジャンオウル スピリット(オリジン)
<テイスティングノート>
香り:麦芽、焼き立てのパン、ショートブレッド、洋ナシ、グリーンゲージ、サイダー、刈った草。
味わい:甘くフルーティー。
フィニッシュ:果実と甘草が調和して、長くてバランスの取れたフィニッシュ。

「スピリット」はノンエイジのシングルモルト(ニューポット)です。青い果実と白い花のような酒質の良さを感じられます。
ベルジャンオウル アイデンティティ(イダンティテ)
<テイスティングノート>
香り:ローストしたオーク、トフィー、梨、マスカット、アンジェリカ、アップルジャム、バニラプディング、バナナ。
味わい:蜂蜜、バニラ、ココナッツアイスクリーム、砂糖漬けの生姜、バターで揚げたリンゴ、プラムのタルト。
フィニッシュ:フルーティーでウッディな余韻が長く残る。

「アイデンティティ」はベルギー産大麦を100%使用し、ファーストフィルバーボンカスクで36か月熟成。コクのある甘さとフルーツのアロマが調和した非常に飲みやすいタイプです。ロックやハイボールにもおすすめ。
ベルジャンオウル パッション
<テイスティングノート>
香り:オークの甘い香りとトフィー、セージやディルといった植物系の爽やかさと爽やかな青りんごのような酸味
味わい:はちみつやバニラの甘み、白ぶどう、洋ナシのようなフルーツ感、スイカ、ほんのりジンジャーのようなスパイス
フィニッシュ:薄めたハッカ油のようなオイリーさと草木のグリーンなアロマ

「パッション」はマスターディスティラーによって厳選されたシングルカスク。熟成期間は47か月で、アイデンティティよりも個性が発揮された奥行きのある味わいです。
ベルジャンオウル バイホベ
<テイスティングノート>
香り:洋ナシ、白ブドウ、はちみつ、ほんのり塩気と柑橘、マイルドペッパー
味わい:フレッシュな果実、オールスパイス、オリーブオイルのような青みがかった柑橘と塩気、ややオイリーでまっとりとした味わい
フィニッシュ:ミディアムな樽香と複雑な熟成感。

「バイホベ」はファーストフィルバーボンカスクで48か月熟成。往年のスコッチのハイランドウイスキーのような、柑橘系と塩気、オイリーさ、熟成感も感じられるタイプです。
『ベルジャンオウル』まとめ
ベルギーでつくられているこだわりのシングルモルト『ベルジャンオウル』とベルギーのウイスキー事情について、ポイントを整理してまとめました。

ジムマレイ氏が高い評価をしたことで、世界では一時話題を席捲した少しマニアックな銘柄です。スコッチの閉鎖蒸溜所「キャパドニック」の蒸留器を使っていることにも注目です。
安定供給がないものの、まだ日本市場では広くは認知されていませんので、ブームが加熱して手に入らなくなる前にぜひ一度お楽しみください。
(リンク先から見つからない銘柄があれば、こちらの記事もご参考ください)。
補足
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(ウイスキーが好きな方や新たな銘柄をお探しの方は、下記から気になる記事をご覧ください)

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