ウイスキーのテイスティング方法と、よく使用される表現のフレーバーをまとめました。
※嗜好品ですので、絶対に正しい味わい方はありません。あくまで初心者の方の参考になればと思い、記事にしました。
ウイスキーのテイスティング方法
視覚(Appearance)
– ウイスキーの色合いを見ます。明るいゴールデン、アンバー、深いマホガニーなど、さまざまな色調があります。
– 透明度や澄み具合も観察します。クリアなウイスキーはフィルタリングが行われたものです。
– 涙(ティアーズ)と呼ばれるウイスキーがグラスの内側に形成する液滴の形状や滴落の速さも注意深く観察します。これはウイスキーの濃度やテクスチャーを示す指標となります。
色合いでザックリと樽の種類などが推察できますね。
薄い色→バーボン樽、リファイル樽。
濃い色→シェリー樽、ワイン樽、新樽。
ティアーズ(「あし」ともいう)が長いほど、様々な香気成分が多く含まれ、より濃厚なものが多いです。
香り(Nose)
– ウイスキーの香りを楽しむために、グラスを軽く振って香りを広げます。
– 香りを嗅ぐ際には、ゆっくりと深呼吸をすることで香りをしっかりと感じることができます。
– 異なる香りの層を識別します。フルーティ、芳香、スモーキー、穀物、香辛料などの香りが見られるかもしれません。
封の開けたてはアルコール感がツンと感じやすいので、スワリング(グラスを揺らして酸化させる)させたり、少し時間を置いたりすると驚くほど香りが開いてきます。
口当たり(Palate)
– ウイスキーを小さく口に含んで、舌の上で広がる味わいを感じます。
– まずは初めの印象や最初の味わいに注目します。甘味、辛味、苦味、酸味などを感じることがあります。
– 味の複雑さや変化を追いながら、口中でのエネルギー、油分、テクスチャーなども感じ取ります。
– 続いて、ウイスキーがどのように舌や口腔内に残るか、余韻やフィニッシュにも注意を払います。
ファーストアタックから、味の膨らみ方、起承転結の味わいの変化の仕方、流れを楽しめるのもウイスキーの醍醐味です。
フィニッシュ(Finish)
– ウイスキーを飲み込んだ後に感じる余韻やフィニッシュを評価します。
– 長さや持続性、温かさ、辛さ、苦味、甘味など、異なる要素が現れるかもしれません。
– フィニッシュが長く続くウイスキーは、特に高品質なものとされています。
フィニッシュはビターなものからスパイシーなものまで様々です。熟成年数の長さが長いほど、フィニッシュも緩やかに伸びていきますね。
テイスティングノートの作成
– テイスティングの際には、感じた香り、味、フィニッシュなどの要素をメモに残すことが重要です。
– 個人の感性に基づいて、自分が感じた特徴や印象、好みなどを記述します。
– 香りの特徴や類似するもの、味のニュアンス、フィニッシュの持続性などについても詳しく記録します。
– ノートにはウイスキーの銘柄や生産地、熟成年数、アルコール度数なども記入すると、後で比較や評価がしやすくなります。
あくまで主観ですので、思ったまま表現するのが良いです。昔はよく「カブトムシの香り(湿ったおがくずの香り)」や「ワンタンスープの香り」などと表現したりもしていました。
ウイスキーの加水での変化を楽しむ
– ウイスキーを試飲する際には、まずストレートで味わうことをおすすめします。その後、水割りや氷を加えることでウイスキーの味や香りが変化することにも注目します。
– 水割りをすることでウイスキーのアルコール度数が下がり、フレーバーノートがより引き立つ場合もあります。
– 氷を加えることでウイスキーが冷やされ、口当たりが滑らかになる一方で、一部の香りや風味が抑えられることもあります。
加水する場合は、『ドロッピング』という、常温の水をストローで一滴ずつ加水する方法をオススメします。加水するかどうかは、好みや賛否が分かれるところですね。
テイスティング 補足
ウイスキーテイスティングは、経験と個人の好みに基づくものです。繰り返し行い、異なるウイスキーを比較しながら自身の感性を磨いていくことが大切です。
また、ウイスキーのテイスティングは楽しむことが目的なので、自分のペースでゆっくりと進めてください。
最近はハイボールが見直されていますね。昔は安いウイスキーを飲みやすくするためにソーダ割りにしていましたが、今は高級品もハイボールにすると絶品で、ポピュラーな飲み方になりましたね。
ウイスキーの代表的なフレーバー
バニラ (Vanilla)
バニラはウイスキーによく見られる甘くクリーミーなフレーバー。
リグニンという樽の成分によって引き立ち、バーボンやバーボン樽熟成のシングルモルトなどによくみられます。
シトラス (Citrus)
シトラスフレーバーはレモンやオレンジのような明るく爽やかな風味。
スッとするようなシトラスやハーブのフレーバー。一部のシングルモルトウイスキーやジャパニーズウイスキーに見られることがあります。
スモーキー (Smoky)
スモーキーなフレーバーはピート(泥炭)から発生し、スコッチウイスキーの一部(特にアイラ地方のウイスキー)に特徴的です。これにより、独特の焚き火や燻製のような風味が生まれます。
アイラウイスキーのみならず、各蒸留所からスモーキータイプのモルトもリリースされています。
スパイシー (Spicy)
スパイシーなフレーバーはシナモン、クローブ、ジンジャーなどのスパイスに由来し、ウイスキーに奥行きと温かさをもたらします。
特にライウイスキーや一部のバーボンによく見られます。
フルーティ (Fruity)
フルーティなフレーバーはリンゴ、洋梨、桃、ドライフルーツなどの果実のような香りや味わいを指します。さまざまなウイスキーに見られ、特にシングルモルトやアイリッシュウイスキーやジャパニーズウイスキーに顕著です。
洋梨やピーチフレーバーは、オーク樽熟成の一部のスコッチやアイリッシュウイスキーによく見られる甘くフルーティな風味です。ジューシーで瑞々しいピーチの味わいが広がります。
ハニー (Honey)
ハニーやメープルシロップなどのフレーバーは甘く滑らかで芳醇な香りと味わいをもたらします。
バーボンやブレンデッドスコッチウイスキーなど、様々な銘柄に広く見られます。
カラメル (Caramel)
香ばしいカラメルフレーバーはウイスキーに甘みと豊かな風味をもたらします。
樽をよく焦がしたのバーボンや、直火蒸留のシングルモルトにたまに見られます。
ナッツ (Nutty)
ナッツのような風味は、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ウォルナッツなどの香りや味わいを指します。
一部のシェリー樽や再利用樽のシングルモルトスコッチなどに見られ、豊かな風味をもたらします。
シェリー (Sherry)
シェリーフレーバーは、ウイスキーがシェリー樽で熟成されたことによるものです。まったりとビターな樽香や風味が移り、ウイスキーにツンとくる硫黄臭やコンプレックスさと甘みをもたらします。
チョコレート (Chocolate)
チョコレートフレーバーは、ウイスキーに濃厚で豊かなカカオの風味をもたらします。
特に色の濃いシェリー樽が多く使用されているウイスキーに見られます。
レザー (Leather)
レザーフレーバーは、ウイスキーが熟成中に樽から吸収したタンニンによるものです。
ウイスキーに深みと重厚感を与え、時にはタバコや木材のニュアンスと組み合わさることもあります。
ぶどうやカシス
ダークフルーツやベリー系のフレーバーは、一部のスコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーで感じられる風味で、赤いカシスのようなフルーティで酸味のある特徴を持ちます。ワイン樽熟成ウイスキーなどにみられます。
モルティ・グレーン (Grain)
まろやかな麦のフレーバーやグレーン感(穀物感)は、バーボンやライウイスキーなどの穀物ウイスキーに特徴的です。穀物の甘みや柔らかさが感じられます。
代表的なフレーバー 補足
ご紹介したのは代表的なウイスキーフレーバーの一部ですが、ウイスキーの多様性は非常に広いため、他にもさまざまなフレーバーが存在します。
個々のウイスキーにはこれらのフレーバーが組み合わさっていたり、相互に結びついていたりします。ウイスキーの熟成年数や樽の種類もフレーバーに影響を与えます。
ウイスキーのテイスティングを通じて、様々なフレーバーを探求し、自分の好みや感性に合ったウイスキーを見つける楽しみを味わってください。
上記以外にも、様々なフレーバーがかけ合わさった「ピーティー」や「ブリーニー(潮っぽい)」、「トフィー」や「オイリー」など、たくさんの表現方法があります。
あまり型を意識しすぎず自由に表現したほうが素直に楽しめていいかもしれませんね。
異なる銘柄やスタイルのウイスキーを経験することで、フレーバーの多様性や個々の特徴を楽しみながらより深く理解することができます。
ウイスキーのテイスティング方法とフレーバーまとめ
ウイスキーの味わい方とよく味わいの表現に使われるフレーバーを簡単にご紹介しました。
あくまで嗜好品ですので、正しい飲み方や味わい方はありません。
それぞれに合った楽しみ方や表現をして豊かに過ごしていけたらいいですね。
飲んでみたい表現や気になるフレーバーがありましたら、下記記事もご参考ください。
まっとりとした甘いウイスキーがお好きな方へおすすめの記事↓
爽やかフルーティーな銘柄をまとめた記事↓
補足
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