『ブレンデッドウイスキー』ではなく、『ブレンデッドモルトウイスキー』です。
シングルモルトウイスキーの価格高騰とともに、近年グングンと人気となってきている『ブレンドモルトウイスキー』の銘柄のなかから、
コスパを含め素晴らしいボトルを、プロのバーテンダーが厳選してご紹介します。
ブレンデッド(ブレンド)モルトウイスキーとは
簡単に言うと、「シングルモルト同士のみを混ぜたウイスキー」です。
ブレンドモルトおすすめ銘柄
スタンダード系おすすめ銘柄
コスパ最高の「ブレンデッドモルト」代表的な銘柄をご紹介します。
スカリーワグ
マッカラン、モートラック、グレンロセスといったシェリー樽熟成に相性の良い原酒を中心に、スペイサイドモルトだけをブレンドした非常に贅沢なウイスキー。
質の高いシェリーカスクによる熟成の影響で、しっかりと濃く深みのある色合い、チョコレートやドライフルーツのようなアロマがあり、愛くるしいラベルどおりのチャーミングな味わい。
華やかさウイスキーが多いスペイサイド地区の、
シェリー樽熟成のシングルモルトのみを集めた、ゆっくりと人気が高まっている「ブレンデッドモルトウイスキー」の代表的な銘柄。
優しい飲み心地とマイルドなナッティさやドライフルーツ感が人気の銘柄です。
ビッグピート
ビッグ・ピートとは、膨大な樽を保有するダグラスレイン社からリリースされているアイラモルト(スコッチのアイラ島のシングルモルト)のみで構成されたブレンデッドモルト。
使用されている蒸留所はアードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンの4つ。なかでも今は閉鎖された貴重なポートエレンが含まれているのが特徴的。配合率やビンテージなどは公にされておりませんが、ポートエレンは1982~1983ビンテージ、アードベッグは16年物前後が使用されているとのこと。
使用されているモルトも贅沢ですが、生産方法もまた非常に手間がかかっており、多くのブレンデッドモルトにみられる大量生産的なつくり方ではなく、5樽以下のスモールバッチにてノンチルフィルターという品質を最重要視した本格志向のモルトウイスキー。
ボトラーとしてだけではなく、ブレンダーとしても大きノウハウがあるダグラスレイン社からリリースされている大人気ブレンデッドモルトのひとつ。
ハイボールでも人気の銘柄。しっかりとアイラ(スモーキーでヨード香の強い)ですが、あっさりと優しい甘さもあり、ライトに飲めます。
ネイキッドグラウス
スコットランドで30年以上にわたって最も愛されているウイスキーである、『ザ・フェイマスグラウス・ファイネスト』の持つブレンドを、希少なファーストフィルのシェリー樽で4年以上後熟成せることによってより芳醇な味わい。
目を見張るほどの甘美さと豊かさを備えた、非常にスムースなブレンデッドモルトウイスキー。
ハイランドパークやマッカランをキーモルトに、1stフィルのシェリー樽でマリッジした新商品。
キーモルトがシェリー樽との相性が良いのは周知の通り。鮮やかな甘さが加わった魅力的な1本。
「ほぼマッカラン」と言われ、一時期品薄になるほど人気となった万能選手です。まったりしっとりと、疲れた夜も癒してくれます。
モンキーショルダー
世界を代表する有名なシングルモルトの「グレンフィディック」と、バルヴェニー、そしてオフィシャルはおろかボトラーズでもリリースされていないキニンヴィー。その3種のシングルモルトが使用されているブレンデッドモルト。
ビンの肩に猿が3匹乗っているユニークなボトル。ちなみに、フロアモルティングが手作業で盛んに行われていたころ、作業員の“痛くなった肩”のことを“モンキーショルダー”といっていたことから。
とても飲みやすく、クリーンでフレッシュなフルーティーさとバニラ・はちみつの甘みがあり、ハイボールでもロックでも優しく飲めます。初心者の方にもとてもおすすめです!
ジョニーウォーカー グリーンラベル
ジョニーウォーカーが保有する800万樽にも及ぶ膨大なストックの中から、マスターディスティラーが厳選したシングルモルトをブレンド。
スコットランドの 様々な地域から、15年以上熟成したモルト原酒を選び、それぞれの蒸留所の個性を残しながらも、複層的でバランスのとれたブレンデッドモルトを実現。
爽やかな草の香り、樽香、ペッパー、バニラなどの香りが複雑に交わりながらも調和。奥深さと芳醇な味わいを、ストレート、ロック、ハイボール、水割りなど、どの飲み方にも通好みのジョニーウォーカー。
ジョニーウォーカーの中でもブラックに次いで人気の100%モルトウイスキータイプ。柔らかい甘さとしっかりとした飲み心地のバランスの良い秀逸な銘柄です。
ハイクラス系おすすめ銘柄
数量限定であったり、プレミアムなブレンデッドウイスキーの中からおすすめ銘柄を厳選しました。
デイドリーム ブレンデッドモルト
★デイドリーム
日常の喧騒から離れ、ウイスキーをじっくりと愉しむひとときの時間。
グラスの中にある琥珀の液体によってイマジネーションが掻き立てられ、一種のデイドリーム(白昼夢)のような時間が流れたことはありませんか?
そんな不思議な時間の一コマを切り取ったかのようなコラージュ作家Pola「Daydream」から、植物と動物を組み合わせた「不思議な生き物図鑑」の作品をラベルに配したウィスク・イーのオリジナルシリーズです。
20年前後の長期熟成ボトルをこの価格で飲めるのもブレンデッドモルトならではです。
秀逸なモルトが多いデイドリームシリーズですが、こちらのボトルはとてつもなくトロピカルなフルーツ感が満載でした!
度数がやや低めで心配しましたが、熟成年数が長いだけあり深みもしっかりしています。
トンプソンブラザーズ
「SRV5」は気軽に楽しめるブレンデッドウイスキーとして、ボトラーズ会社のトンプソンブラザーズのハウススタイルとしてリリース。
・熟成:8年以上熟成
・樽:ファーストフィルバレル、リフィルホグスヘッド
・度数:48.5%
・ラベル:KKHIROSHIMA(Instagram:kk_hiroshima)
・受賞:IWSCSILVER、SAN FRANCISCO SPIRITS WORLD COMP SILVER
ドーノッホ蒸溜所の熟成庫内において、シェリーにおけるソレラシステムに近い形をとり、今後も常にSRV5の味わいを安定させリリースする予定。
とても華やかでフレッシュな、そして口当たりもしっかりとして、ほのかにスモーキー。
バランス良く、価格もリーズナブルなのが嬉しいですね。使用する酵母にもこだわっており、オールドボトルを彷彿させる香りです。
アートワーク ブレンデッドモルト
◆アートワークシリーズ
日本市場はもちろんのこと、世界中で注目されているドイツのボトラー「ウイスキーエージェンシー」とスリーリバーズが、両者でテイスティングを行い優れた品質の樽のみをジョイントボトリング専用のシリーズ「アートワーク」としてリリースしています。ラベルデザインはウイスキーエージェンシーのスタイル同様、芸術的な絵画を採用。
注ぎたてはプラムやイチヂク系の香り、少し時間が経つと奥にあったチョコや焙煎コーヒーがどんどん前へ。
味わいはとてもソフトでなめらか、フレッシュイチヂクのような瑞々しいフルーティさと上品な甘さ、トンカ豆、シルキーさが漂い、そのあとから心地良いカカオビターと焙煎感。
香りは現代風、味わいは少しオールドボトル チックな味わいです。綺麗で優しくて美味しい。欲を言えばもう少しアルコール度数、アタックが欲しいところですが、優しいので初心者の方から通の方まで、幅広くおすすめできるワンランク上の『シェリー樽熟成モルト』です。
コンパスボックス ブレンデッドウイスキー
–コンパスボックス—
コンパスボックスのウイスキーのブレンディングを全て一人で手がけているジョン・グレイサー氏は、ジョニーウォーカーのグローバルマーケティングディレクターとして活躍し、2000年にジョニーウォーカーを離れコンパスボックスウイスキー社を立ち上げました。今までに無いアイデアで新しいスタイルのウイスキーを作り上げること。アメリカからロンドンに拠点を移し、ウイスキー作りを「アート」に見立て、最高の作品を作るべく日々ブレンディングに取り組んでいる。
彼のウイスキーに対する挑戦は既に多くの人々から賞賛を受けており、ウイスキーマガジン誌の「イノベーター(革新者)オブザイヤー」を4度も、またウイスキーアドヴォケート誌の「パイオニア(開拓者)オブザイヤー」を2度受賞するなど、その功績が広く認められています。また、彼が作り出したウイスキーは通算で40以上の賞を受賞するなど、世界中がその品質の高さを認めています。
使用されているシングルモルトのレシピが公開されている、多種多様のシリーズがでているハイグレードのブレンデッドモルトウイスキー。なかでも「オーチャードハウス」は人気のため入手困難です、
ブラックアダー キメラ
ブラックアダーが保有する樽の数々から、複雑なブレンドを重ねて誕生するキメラシリーズ。
ロウカスクならではのパワフルな仕上がりは、ブレンデッドモルトでも衰えることはありません。
ダークチョコレートのようなほろ苦さと、リンゴや洋ナシのフルーティさ。
かすかなスモーキーさも感じられ、探究心がくすぐられるほど奥行きのあるアロマ。
あらゆる生き物の長所を掛け合わせて生まれたキメラのように、優れたスコッチの要素が盛り込まれています。
優しいものが多いブレンデッドモルトのなかでも、群を抜いてパワフルでフルボディな銘柄です。
モスバーン
オランダのボトラーズ会社「モスバーンディスティラーズ」
モルトウイスキーをアメリカンオーク樽で熟成させ、その後、特別に設計されたモスバーンのオリジナル樽で再熟成。
(側板:1stフィルオロロソシェリーバット、鏡板:強く焦がしたバージンアメリカンオーク)オロロソの豊かな甘さとフルーツのアクセント、新樽の深みのあるバニラ香が楽しめます。
オロロソの豊かな甘さとフルーツのアクセント、新樽の深みのあるバニラ香が特徴の、とてもバランスの良い優等生です。
ブレンデッドモルトウイスキーおすすめ銘柄まとめ
シングルモルトよりもコスパが良く、2020年代に入ってからは人気も高まり、驚かされるほど良いものが増えてきました。
価格と内容を考えると、ほんとに素晴らしい銘柄が多いです。蒸留所やブレンダー、ボトラーズ各社の技術向上には頭があがりませんね。
スタンダード銘柄も高品質のものが多いので、そこから気に入ればハイクラス銘柄も試してみるのも良いですね(量り売りやバーで一杯だけ試してみてはいかがでしょうか)。
驚くほどよくできていますので、シングルモルト党の方にこそぜひいちど、お試しいただきたいです。
補足
※上記でご紹介した銘柄をお得に購入したい方は、酒屋さん店頭での購入もおすすめします(送料がかからないため)。
特に、ウイスキーを広く取り扱うやまやさんでは最安値に近い価格で購入できます。
年会費・入会費無料の「やまやカード」をつくっておけば、毎月20日の「やまや感謝デー」で3%オフで購入できるのもお得で嬉しいです。レアウイスキーもカード会員限定で購入できるときもあります。
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